第140話 無きものを残す


こんにちはっ



ゆうなです!



ひとつ前のブログに掲載した、空の写真が好評で嬉しい今日この頃です。



実は9月の初めごろ、私の住む沖縄に接近した台風が去った直後の空でした。



沖縄という土地は、本土とは少し違った自然や歴史を持っています。



住んでいても知らない事、見たことの無い物はたくさんありますので、



私も学びながら、皆さんに少しずつ紹介できればと思っています。





以前はゴッホやミュシャなどメジャーな画家さんの展覧会を



頻繁に追いかけていた私ですが、



このブログを通し沖縄の歴史を調べるようになってからは、



地元・沖縄出身の画家に興味を持つようになりました。





そして今回お話ししたいのは「金城安太郎」です。



1911年に生まれ1999年に亡くなった、



戦前・戦中・戦後を知るアーティストといえます。





彼は幼少から美術に触れ、18歳で上京。



新聞連載小説の挿絵などを担当し活躍したと言われていますが、



先の沖縄戦によりその作品はほとんど残っていないようです。



金城安太郎だけではなく、この時代に画家を志す者には



とても苦しい時代だったと言われています。



1937年日中戦争、1941年には太平洋戦争が開戦し



国家総動員法で資材の使用が制限され、空襲によりアトリエも消失するなど



創作活動をする心持ちは無かったのではないかと思います。



画家のほとんどは教師であったために、招集から外されていましたが



戦況の悪化などで徐々に飛行場建設などに動員されていきました。



戦後は美術技官として、米軍の注文で風景画・風俗画、



クリスマスカードなどを制作していました。



これ以降は金城安太郎の作品は多く残っていて、現在も見ることができます。





私が彼の作品をみて、最初に思ったのは



とにかく描かれている人々の表情が豊かなことです!



今帰仁城盛衰記という画集の中の「今帰仁上り神拝みの行事」という作品があります。







家族、親戚一同でお墓まいりへ行く移動中、といった画です。



家族一同総出という事もあり、この一枚に10人以上人物が描かれているのですが、



一人一人の表情がしっかり読めて、絵でありながらこの一瞬を写真に納めたような



不思議な感覚を持ちました。



写真だとわかりにくいですが、本当に個々が生き生きと描かれているのです。



そして圧巻だったのは、



「風雲児阿麻和利」



琉球の歴史に登場する人物で、現在も沖縄芝居の題材に用いられます。



この作品で描かれているのは、その芝居で演じられた阿麻和利ですが、



今にも動きだしてしまいそうな描写はもちろん、



着物の柄をはじめ配色が鮮やかで見とれてしまいます。



作品のサイズも約164cm×130cmと大きく、迫力がありました。









彼の他の作品も、沖縄の歴史や昔ながらの文化にちなんだ物がとても多いです。



戦争を経験し、沖縄を書き残したいという思いが強くあり、



家族へ「紙切れ一枚も捨てるな」と遺言したそうです。





いかがでしたか?



今回はこのへんにしたいと思います!



皆様からのご意見ご感想など



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こちらまで!



それでは皆様、また来週……







文)そんないプロジェクト ゆうな

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