季節はうつろう
みなさん、こんばんは。そんないプロジェクトの和田です。
みなさんは季節の移り変わりってどうやって感じとっていますか?
日差しの強さや咲く花の色、あるいは食べ物の旬で季節の移ろいを感じとる人もいるかも知れません。
ただまあ近頃は何が旬やら旬でないのやらわかりにくい世の中になってきておりまして。野菜売り場には年がら年中色とりどりの野菜が並んでいるものだから、季節感も何もあったものじゃなくなってきているわけですけれども。
さて、僕は「そんない理科の時間」という番組で皆さんのお耳を拝借しておりますが、そこでは星の話題を扱うことが多いんですね。そのせいもあって星空を眺めることが多いんですが、星空っていうのは季節の変化に敏感です。
いや、敏感というよりも見ているこちらにズイズイと季節の変化を伝えてきます。それはもう押しつけがましいほどに。
いまの時期だとあなた、夜半過ぎには星空はもう夏ですよ。それどころか夜明け前にはそろそろ秋の星座が見え始めていたりします。
こっちはまだ夏服の準備すらできていないというのに、「ほうら、秋の四辺形を見せてやろう」なんて、星空をぐるりと回してくれたりするのです。
ことほどさように、無遠慮に、星空が季節の移ろいを知らしめてくるものだから、星を見ることが好きな人間は季節の変化に敏感です。
そんな風に星空に向かいあっていますとね、また別のものにも季節の変化を教えられるなあと思うのです。
それは、匂いです。
これはもう人によっても違うでしょうから一概にはいえないのですけれども、それでも季節ってね、それぞれに独自の匂いを持っていると思うんですよ。
ただこの匂い、季節の変わり目にしか感じ取れないと思うのですね。人間の鼻はどんな匂いにも5分で慣れるそうですから、空気がその季節の匂いで満たされてしまったら、次にその季節がめぐってくるまではその匂いはおあずけ。
みなさんきっとそれぞれに、季節の変わり目の匂いというのをお持ちだと思うのですけれど、いまだと僕は夜の匂い。昼間にぐぐっと気温が上がって、そのくせ日が落ちて意外と肌寒くなったりしたときに感じる、春が「もうちょっといいでしょう?」といっているかのような匂い。あれを感じると、「ああ、まいったなあ」と思ってしまいます。
星空を眺めながらふとそんな匂いをかぐと、突如として地球が太陽の周りを回っていることを実感したりして、そしてまた大昔の人たちはこうしたことにもっともっと敏感だったのだろうなあなんて思ってみたりして、何やら壮大な気持ちになってしまいます。
だからといってその頃に戻りたいとは思いませんが、それでも季節の変化くらいは自分で感じとっていたいなあと思うのです。天気予報で「すっかり夏ですね」といわれて初めて夏に気づいたり、カレンダーの「立冬」の文字を見て冬が来ることを思い出したりするのではなく。
そんなわけで、みなさんたまには星空を眺めてみませんかと、いくぶん強引に話をまとめてみまして。そしてそのついでに、星空に思いを馳せるなら「そんない理科の時間」を聴いてみてと、そこでは星空の案内もやっていますからと、これまた強引にご紹介申し上げましたところで、今回のブログはおしまいです。
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文)そんないプロジェクト・和田
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